暑かった夏が終わり、涼しい風を感じる秋が深まる時期に使う時候の挨拶の中に“秋冷の候”という挨拶があります。
時候の挨拶は手紙の書き出しによく使われますが、同じ秋でも時期によって適している場合と適さない場合があります。
今回は秋の時候の挨拶の一つである“秋冷の候”についてご紹介します。
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秋冷の候とは?
“秋冷の候”とは漢字からして涼しい秋の頃に使う時候の挨拶であることが推測されます。
しかし最近は秋らしい涼しさを感じる時期が短く、夏が終わると比較的すぐに寒い冬がやってくるように感じます。
“秋冷の候”とはいつ使うのが適しているのか?また読み方や意味についても詳しくご紹介します。
読み方は?
“秋冷の候”は“しゅうれいのこう”と読みます。“秋冷”にはどのような意味があるのでしょうか?
どんな意味があるの?
そもそも“秋冷”には小学館出版の大辞泉によると“秋になって肌に感じられる冷ややかさ。また、その冷気。”とあります。
このことから“秋冷の候”は“秋が深まり肌寒さを感じる季節となりました”という意味になります。
使う時期は?
“秋冷の候”を使うのに適した時期は、朝晩だけでなく昼間も涼しくなり夜が長くなる9月の終わり頃から10月いっぱいと、いかにも秋を感じることができる時期です。
9月の終わり頃、特に9月23日頃の秋分の日頃から使うのが好ましいです。
秋冷の候と同じ時期に使える他の時候の挨拶は?
時候の挨拶は24個に区切った季節を元に作られています。
“秋冷の候”を使うのに適しているとされている期間は、この区切られた季節のうちの9月23日頃にあたる“秋分(しゅうぶん)”10月8日頃にあたる“寒露(かんろ)”10月23日頃にあたる“霜降(そうこう)”という仲秋から晩秋にかけての時期となります。
そのため“秋冷の候”と同じ時期に使える時候の挨拶は、秋分から寒露にあたる9月下旬から10月上旬は“秋涼の候(しゅうりょうのこう)”“秋晴の候(あきばれのこう)”“秋雨の候(あきさめのこう)”があります。
寒露から霜降にあたる10月中旬頃には“錦繍(秋)の候(きんしゅうのこう)”“菊花の候(きくかのこう、またはきっかのこう)”があります。
霜降から10月終わりまでの10月下旬は“朝寒の候(ちょうかんのこう)”“寒露の候(かんろのこう)”があります。
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秋冷の候を使った簡単な文例は?
では秋を通して使える“秋冷の候”を使った文例をいくつか紹介するので、手紙の書き出しの際に参考にしてみてください。
【個人宛に使う場合】
①秋冷の候、絶好の行楽日和が続いていますが、○○様にはその後いかがお過ごしでしょうか。
②秋冷の候、秋の夜長に庭先で鈴虫が音楽を奏でていますが、ご一同様はお元気でお過ごしでしょうか。
【目上の人宛に使う場合】
①秋冷の候、秋風が冷たく感じるようになってきた今日この頃ですが、○○様におかれましては一段とお元気でお過ごしのことと存じます。
②秋冷の候、秋も深まり少しずつ寒さを感じるようになってきましたが、先生にはなお一層ご発展のことと拝察いたしております。
【企業など団体宛に使う場合】
①秋冷の候、貴社におかれましてはますますご隆盛のことと大慶至極に存じます。
②秋冷の候、貴店には一段とご清栄とのこと心よりお慶び申し上げます。
まとめ
今回は“秋冷の候”についてご紹介しました。
寒さが深まり体調を崩しやすい時期にこのような時候の挨拶が一言添えてあると、気遣いを感じ読む側の心が暖まりますね。
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