夏や冬の長期休暇には、遠く離れた場所に住む親族、お世話になった企業にお手紙を書くことが多いと思います。

そんなときに悩むのが、数ある時候の挨拶の中でなにを使うのがベストなのだろうか?ということだと思います。今回は夏の時候の挨拶の中の“晩夏の候”についてご紹介します。

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晩夏の候とは?

先生の画像

8月に使う時候の挨拶の中に“晩夏の候”があります。この晩夏とは、旧暦のうち“小暑(しょうしょ)”と“大暑(たいしょ)”を指します。

小暑は7月7日から7月22日頃にあたることが多く、大暑は7月23日から8月6日頃にあたることが多いです。以前はこの時期に使われていました。

しかし今は使われる時期が少しずれています。そんな晩夏の候について詳しくご紹介します。

読み方は?

晩夏の候は“ばんかのこう”と読みます。最後のほうを表す晩を用いることから、夏の終わりを表しています。

どんな意味があるの?

晩夏の候には“まだ暑さの残る夏の終わりの季節”という意味があります。時候の挨拶は旧暦を元に作られており、晩夏の候も例外ではありません。

以前は小暑と大暑にあたる期間、7月7日から8月6日に使用されており、8月7日頃の立秋から秋になることから小暑と大暑は晩夏と呼ばれていました。

しかし現在では8月も暑く気象条件が昔と異なるため、使う時期が少し異なっています。

使う時期は?

現在晩夏の候を使うのに適しているとされるのは、立秋を迎える8月7日頃から8月20日頃とされています。特に8月中旬に出すことが多い残暑見舞いの時候の挨拶として使われることが多いです。

晩夏の候と同じ時期に使える他の時候の挨拶は?

晩夏の候は本来使うべき時期と現在使う時期がずれていることから、使うのに悩む…という方は、“残暑の候(ざんしょのこう)”“残炎の候(ざんえんのこう)”“暮夏の候(ぼかのこう)”“秋暑の候(しゅうしょのこう)”など他にも同じ時期に使える時候の挨拶があるので、好みに応じて使ってください。

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晩夏の候を使った簡単な文例は?

手紙の画像

残暑の候よりも夏の終わりを強調する晩夏の候ですが、どういった形で文章を作ればいいのか悩むかと思います。そこで晩夏の候を用いた文章の例をまとめたので、ぜひ参考にしてみてください。

【個人宛に使う場合】
①晩夏の候、ご家族の皆様にはその後お健やかにお暮らしのことと存じます。
②晩夏の候、夏の盛りを過ぎたとはいえ、まだまだ暑さが続きます。
③晩夏の候、蝉の鳴き声がひぐらしに変わり、秋の気配が感じられます。

【目上の人に使う場合】
①晩夏の候、皆々様におかれましてなお一層のご活躍のことと存じます。
②晩夏の候、貴殿におかれましてはその後お変わりなくお暮らしのことと拝察しています。
③晩夏の候、秋の涼しさが待ち遠しい今日この頃ですが、○○様はいかがお過ごしですか。

【企業などの団体に使う場合】
①晩夏の候、貴社には一段とご清祥のこととお慶び申し上げます。
②晩夏の候、皆々様にはいよいよご活躍の段拝察しいたしております。
③晩夏の候、各位におかれましてはなお一層ご隆昌の段存じます。

まとめ

昔と今で使う時期が少しずれている、珍しい時候の挨拶である“晩夏の候”。夏が終わりに近づいている、というと涼しいイメージがありますが、この挨拶を使う時期はまだまだ暑さ真っ盛りの8月中旬です。

残暑見舞いの時候の挨拶としてはぴったりなので、今年はぜひ晩夏の候を挨拶として添えたお便りを出してみてはいかがでしょうか?

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